【短編集】片想い、余命2日
俺はというと、自覚したばかりだからか、由依の顔をまともに見ることもできず、俺は視線を落とす。
そして、由依も花村も、俺も。
誰もなにも言わなくて、空気が重くなる。
長い沈黙の中で、俺は必要かわからないけど、由依に説明できるように、さっきの花村と話した内容を整理していく。
だが、俺から言えることはないと、すぐにわかった。
そして、一つ、気になることが見つかった。
どうして、由依は俺といるとつらいと感じるのか。
俺の中である仮説が立てられたが、それを今確認すべきではないのは、明らかだった。
ましてや、都合のいい妄想であるような気もして、確かめる勇気もなかった。
そんな静寂の中、床が擦れる音がした。
顔を上げると、由依が花村に近付いていた。
気まずさからか、花村は俯いて動かない。
それでも、由依は花村の視界に入るように、しゃがみ込んだ。
「深優、帰ろう?」
花村の横顔が、泣きそうになっている。
花村が頷くと、由依は立ち上がる。
そして俺と目が合い、視線を泳がせる。
だが、由依は逃げなかった。
「またね、壱」
まだ、歪な笑顔。
でも、話しかけてくれて安心した。
そして、由依も花村も、俺も。
誰もなにも言わなくて、空気が重くなる。
長い沈黙の中で、俺は必要かわからないけど、由依に説明できるように、さっきの花村と話した内容を整理していく。
だが、俺から言えることはないと、すぐにわかった。
そして、一つ、気になることが見つかった。
どうして、由依は俺といるとつらいと感じるのか。
俺の中である仮説が立てられたが、それを今確認すべきではないのは、明らかだった。
ましてや、都合のいい妄想であるような気もして、確かめる勇気もなかった。
そんな静寂の中、床が擦れる音がした。
顔を上げると、由依が花村に近付いていた。
気まずさからか、花村は俯いて動かない。
それでも、由依は花村の視界に入るように、しゃがみ込んだ。
「深優、帰ろう?」
花村の横顔が、泣きそうになっている。
花村が頷くと、由依は立ち上がる。
そして俺と目が合い、視線を泳がせる。
だが、由依は逃げなかった。
「またね、壱」
まだ、歪な笑顔。
でも、話しかけてくれて安心した。