【短編集】片想い、余命2日
4
学校に着いて教室に入ると、女子に道を塞がれた。
「これ、どういうこと?」
昨日、由依に紹介したばかりの彼女が、スマホの画面を突きつけてくる。
『別れて』
気持ちを自覚した以上、付き合い続ける理由なんてなくて、昨日送ったメールだ。
「そのまま意味だけど」
そう言って横を通ろうとしたけど、彼女に肩を掴まれてしまった。
「納得できない」
彼女の力は強くなる。
「俺、君の名前を覚えていないくらい、君に興味ない」
すると、彼女は平手を振りかざして、勢いよく俺の左頬を叩いた。
その痛みと彼女の睨みが、俺が最低だということを改めて教えてくれる。
「クズ」
鋭い捨て台詞は、クラスにいる人全員が聞いていた。
気まずい空気が流れるが、俺は気にせず自分の席に行く。
丸い形で終わらせることはできなかったけど、縁を切ることはできた。
これで正々堂々、由依にアプローチができる。
由依が受け入れてくれるかわからないけど。
でも、花村の言おうとしていたことが本当なら。
俺の気持ちが本気だってわかってもらえたら、受け入れてくれるだろう。
それから俺は由依にどんなふうに言うかを考えるので精一杯で、授業に集中なんてできなかった。
「これ、どういうこと?」
昨日、由依に紹介したばかりの彼女が、スマホの画面を突きつけてくる。
『別れて』
気持ちを自覚した以上、付き合い続ける理由なんてなくて、昨日送ったメールだ。
「そのまま意味だけど」
そう言って横を通ろうとしたけど、彼女に肩を掴まれてしまった。
「納得できない」
彼女の力は強くなる。
「俺、君の名前を覚えていないくらい、君に興味ない」
すると、彼女は平手を振りかざして、勢いよく俺の左頬を叩いた。
その痛みと彼女の睨みが、俺が最低だということを改めて教えてくれる。
「クズ」
鋭い捨て台詞は、クラスにいる人全員が聞いていた。
気まずい空気が流れるが、俺は気にせず自分の席に行く。
丸い形で終わらせることはできなかったけど、縁を切ることはできた。
これで正々堂々、由依にアプローチができる。
由依が受け入れてくれるかわからないけど。
でも、花村の言おうとしていたことが本当なら。
俺の気持ちが本気だってわかってもらえたら、受け入れてくれるだろう。
それから俺は由依にどんなふうに言うかを考えるので精一杯で、授業に集中なんてできなかった。