【短編集】片想い、余命2日
◇
「今日から三日間、近くの学校でミュージックビデオを撮影するわけだが。アイドルとして、一般人との距離感は守るように。内緒の恋が盛り上がるとか言うなよ、颯斗」
車を運転する男性マネージャーは、厳しめに言う。
「あれ、名指し? ちょっと酷くない? 島崎ちゃん」
立花颯斗は不満溢れる声で言い返す。
長めの黒髪に泣きぼくろ。
性格も相まって、颯斗はセクシー担当なんて言われているメンバーだ。
可愛い女の子に目がないのは、世間には言えない秘密。
「それはそうでしょう。僕も洸も、きちんと理解してますから」
そう言うのは、黒縁メガネをかけた真面目そうな男、星河秋良。
アイドルをやりそうにない風貌ではあるが、それなりに応援の声が届くようになってから、活動に前向きになり始めたばかりのメンバーだ。
「洸、ちゃんと聞いてるか?」
島崎が呼びかけたのは、Sparkleの最後のメンバー、冬瀬洸。
グループの最年少で、少しぼんやりとしているところがあるが、そこがいいと人気がある。
「恋愛禁止、でしょ。でも僕、恋愛とかよくわからないし……颯斗くんだけ注意しておいたら?」
見た目に似合わない毒舌もまた、世間に言えない秘密の一つだ。
「洸みたいな奴が、意外と嵌るんだよなあ」
颯斗は楽しそうに言うが、その意味がよくわからなかった洸は、首を傾げるだけだった。
「今日から三日間、近くの学校でミュージックビデオを撮影するわけだが。アイドルとして、一般人との距離感は守るように。内緒の恋が盛り上がるとか言うなよ、颯斗」
車を運転する男性マネージャーは、厳しめに言う。
「あれ、名指し? ちょっと酷くない? 島崎ちゃん」
立花颯斗は不満溢れる声で言い返す。
長めの黒髪に泣きぼくろ。
性格も相まって、颯斗はセクシー担当なんて言われているメンバーだ。
可愛い女の子に目がないのは、世間には言えない秘密。
「それはそうでしょう。僕も洸も、きちんと理解してますから」
そう言うのは、黒縁メガネをかけた真面目そうな男、星河秋良。
アイドルをやりそうにない風貌ではあるが、それなりに応援の声が届くようになってから、活動に前向きになり始めたばかりのメンバーだ。
「洸、ちゃんと聞いてるか?」
島崎が呼びかけたのは、Sparkleの最後のメンバー、冬瀬洸。
グループの最年少で、少しぼんやりとしているところがあるが、そこがいいと人気がある。
「恋愛禁止、でしょ。でも僕、恋愛とかよくわからないし……颯斗くんだけ注意しておいたら?」
見た目に似合わない毒舌もまた、世間に言えない秘密の一つだ。
「洸みたいな奴が、意外と嵌るんだよなあ」
颯斗は楽しそうに言うが、その意味がよくわからなかった洸は、首を傾げるだけだった。