【短編集】片想い、余命2日
◇
放課後になると、身なりを整えた女子たちが窓際に群がった。
「よくあんな体力があるよね」
綾芽は呆れた様子だ。
「綾芽ちゃんも、楽しみにしていませんでした?」
亜子は帰る支度をしながら言う。
「なんていうか、私より騒いでる人を見たら冷めるっていうか……」
その感覚が理解できない亜子は、適当な相槌を打つ。
「亜子、帰るの?」
「図書室に行って、新しいお菓子作りの本を探します。綾芽ちゃんも行きますか?」
図書室には惹かれない綾芽は迷ったが、亜子が次に作るお菓子が気になり、ついて行くことにした。
「亜子って、本当にアイドルに興味ないんだね」
「私はお菓子を作るほうが楽しいのです」
本当に幸せそうに語る亜子が可愛く思え、綾芽は亜子に抱きついた。
そのまま歩くことは難しく、亜子の足が止まる。
「また亜子のお菓子、食べさせてね」
「もちろんです。綾芽ちゃんはどんなお菓子が」
亜子がそこまで言ったとき、亜子のスマホが鳴った。
学校にいる間にメッセージが届くことが珍しく、亜子は不思議に思って、スマホを取り出した。
『まだ学校にいるなら、体育館に集合』
兄の壱からのメッセージだった。
放課後になると、身なりを整えた女子たちが窓際に群がった。
「よくあんな体力があるよね」
綾芽は呆れた様子だ。
「綾芽ちゃんも、楽しみにしていませんでした?」
亜子は帰る支度をしながら言う。
「なんていうか、私より騒いでる人を見たら冷めるっていうか……」
その感覚が理解できない亜子は、適当な相槌を打つ。
「亜子、帰るの?」
「図書室に行って、新しいお菓子作りの本を探します。綾芽ちゃんも行きますか?」
図書室には惹かれない綾芽は迷ったが、亜子が次に作るお菓子が気になり、ついて行くことにした。
「亜子って、本当にアイドルに興味ないんだね」
「私はお菓子を作るほうが楽しいのです」
本当に幸せそうに語る亜子が可愛く思え、綾芽は亜子に抱きついた。
そのまま歩くことは難しく、亜子の足が止まる。
「また亜子のお菓子、食べさせてね」
「もちろんです。綾芽ちゃんはどんなお菓子が」
亜子がそこまで言ったとき、亜子のスマホが鳴った。
学校にいる間にメッセージが届くことが珍しく、亜子は不思議に思って、スマホを取り出した。
『まだ学校にいるなら、体育館に集合』
兄の壱からのメッセージだった。