桜の雨

今日は始業式だから授業もなく午前中で終わりなのに、久しぶりの学校はとても疲れた。
これまでとは違い、先生のことを意識しすぎたせいで、余計に疲れちゃったみたい。
お昼ごはんを食べるのも兼ねて、今日は桃とファミレスに寄ることにした。


平日なこともあってか、ファミレスはそこまで混んでいなかった。
桃はハンバーグ、私はサラダを頼んだ。
もちろん2人ともドリンクバー付きだ。

2人で飲み物を取りに行き席に着く。
「久しぶりの学校はやっぱ疲れるね~部活とは違って疲れた…」
桃も疲れている様子だ。

「ね、行くだけで疲れるよね」
と返事をしながら、いつ話を切り出したらいいのか、そわそわしていた。

「芽玖サラダだけって足りなくない?もしかしてダイエット?それともなんかあった?」
桃が心配した顔をしている。
今話を切り出すべきか…

迷っていたところで、私が頼んでいたサラダが到着した。
これから話を切り出すことを考えると食欲がわかず、サラダを頼んでしまったけど、そのサラダすら食べる気が出ない。

話をするべきか迷っていると桃が
「あの…えっとさ、ちょっと気になってたんだけどね…」
と話を切り出してきた。

「この前、あたしたちがスマホ使ってて、逃げ出したとき、もしかして芽玖と春野先生2人だった?あの時は気づかなかったんだけど、芽玖の顔が赤かったのってもしかして…って後で気づいて」

話すのはこのタイミングなのかもしれない。
「うん、先生と2人だった…」
少し声が震えた。
そんな私と対照的に桃は

「ええ~!?2人だけのときに、なんかあったんだ!何があったの?!ちゅーされちゃったとか?!きゃーーーー」
と一人で盛り上がっている。

「いやいや!!!ちゅーは絶対ない!!」
と桃にツッコミながら、その日の出来事を話すことにした。
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