桜の雨
本当の気持ち

先生と距離を詰めるといいつつ、先生と話をせず、いつの間にか1ヶ月が過ぎてしまった。
なぜそんなことになってしまったのか……





私は先生を直視することができなくなってしまっていた。
朝と帰りのホームルームも先生と目が合いそうになると、私はサッと顔を伏せてしまう。

そして、桃の部活終わりを待つ放課後は、私は真っ先に図書室に向かっていた。
先生に勉強を教えてもらいたい気持ちはあったけど、2人きりなんて心臓がもたない。

この1ヶ月、桃は私と先生の接点を増やそうと、頑張ってくれていた。
でも、ことごとく避けてしまった。

桃に謝ると
「あたしは別に気にしてないけど…せっかくだから楽しく過ごしたいじゃん?」
と言ってくれる。
この優しさが、胸を締め付ける。



私はいつもこう。
人見知りが激しいのか、自信がないのか分からないけど、自分から動くことが苦手だ。
こうやって、うじうじしている自分が好きじゃない。
もう少し勇気があれば変われるのかな。
その勇気って、どうやったら出てくるんだろう。

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