桜の雨






ジェットコースターが発進し始めてからの記憶は残ってない。
気づくと、ジェットコースターが発車したもとの場所に戻ってきていた。
よほど激しかったのか、髪がボサボサになっている。

早く降りて飲み物が飲みたい。
まだ機体が完全に止まっていないせいか、ジェットコースターからは降りられないみたいだ。
ふと、隣に先生が座っていたことを思い出し、チラッと横を見た。

先生は嬉しそうな顔で
「楽しかったね」
と私に笑いかける。


かっこいい。
よく考えるとこの状況は、2人でデートしてるみたいだ。

冷静に考えると、とんでもないことが起きていることに気づく。
桃に感謝だ。





ジェットコースターから降りると、先生のことを待つ男女生徒が一斉に押し寄せてきた。

「先生〜♡私たちとも一緒にジェットコースター乗ろうよ〜♡」

「え〜俺らとゲーセン行こうよ〜」


やっぱり先生は人気者だ。
一緒にジェットコースターに乗れた私はラッキーなのかもしれない。

この騒ぎの中、先生と会話をする勇気もなく、桃のところに戻ることにした。





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