桜の雨
マラソン大会
冬休みが終わると、大嫌いなマラソン大会がある。
運動全般が苦手な私には辛い行事だ。
マラソン大会が近づくと体育の授業がマラソン一色になる。
私は足が遅いからゴールするのが後の方だ。
みんながゴールしている中、まだ完走していない私はみんなから声援を受けるけど少し恥ずかしい。
マラソン大会当日。
熱が出たらいいのにとか病気になればいいのにと思うけど、そういう日に限って体の調子がいい。
欠席するのは諦めて、マラソン大会に参加することにした。
このイベントが終われば体育の授業でもマラソンをしなくても済むようになる。
終わってしまえばいいこと尽くしだ。
マラソン前に準備運動を始める。
走る前は寒いのに、走り始めるととても暑くなる感覚があんまり好きじゃない。
マラソン大会は学校の一大イベントだから、コースの周りには先生たちが勢揃いで応援に駆けつける。
もちろん春野先生もいる。
コースの端っこに立ってる春野先生と目が合った。
私は走るのが得意じゃないから、先生に見られるのは恥ずかしい。
私は目を逸らしながら軽く会釈した。