桜の雨
気になる存在
中間試験が終わった頃から、華ちゃん先生は学校を休む日が続いていた。
だから華ちゃん先生の代わりに、春野先生が朝と帰りに教卓に立つ日が続いた。
「課題で分からないところがあれば、どの教科でも教えるぞー」
先生は放課後、みんなに勉強を教えることに力を入れるようになった。
相変わらず先生は大人気。
女子だけではなく、男子からも人気だ。
私も課題で分からないところがあったけど、先生目当ての女子の中に混じって聞きに行くことに抵抗がある。
桃は部活があると言って、早々と教室を出てしまった。
桃の部活はチアリーディング部。
大会が近いと、ほぼ毎日のように部活がある。
桃からは、部活が終わるまで待ってても、先に帰ってしまっても、どちらでもいいと言われてるけど…どうしよう。
外は雨が降ってることだし、とりあえず課題をしながら桃を待つことにした。
梅雨の時期は頭が痛くなって困る。
窓の外の雨を見ながらため息をつく。
頭が痛い。
手に持ったシャーペンを一旦置き、机に突っ伏して目を閉じた。
教室の中の雑音が心地よい。