トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
中央で深紅の髪の美少女が、
右手に剣を持ち、一回転する動作を繰り返して練習をしていた。

ブラントンは、その美少女を指さした。

「あの子が、王位継承第一位のリアラン様だ。今回の護衛対象だ」

「それでは、彼女が次の王位につくのか」

チェイサーの目には、
リアランが華奢で小柄な少女に見えたが

「彼女ではない、まだ、未成年のXだからな。
18才になったら、男子として公務につく」

その後ろには、やや背の高い痩身の子どもが、従者の役なのか、立っている。

美少女の隣には、12歳ほどの子どもがベールをかぶって、ひざまずいている。
その周囲を、数人の子どもたちが囲むように片膝をついている。

「背の高い子が継承権第2位。
ひざまずいているのが第3位。
周りのガキも、
王家の血筋を持つ子どもたちだ」

ブラントンは、ため息まじりに言った。

「リアラン様が、オンナに見えるのも無理はない。
母親に似ている方だからな。
母親も、美人で有名だったらしい。
俺は残念ながら、見ていないが」

「あの舞台にいる子ども、
それぞれが異母兄弟になるのか?」
チェイサーは、疑問を口にした。

「そうだ。
この国では、王家の血筋を持つ事が重要なんだ」
< 15 / 73 >

この作品をシェア

pagetop