トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー

王位継承者の面接

王宮のテラスから、やや高めの声が聞こえる。

「ブラントン!!警護の者はもういらない。
今の人数で、十分だろう!」

「リアラン様、一応、念のためです」
ブラントンの声だ。

その声は決定事項として告げる、
拒絶を許さない厳しさがあった。

「自分の身くらい、自分で守れる!!」

チェイサーは、テラスの折り戸に体を添わせて、
その声の主を、じっと観察した。

斜め横のカウチに、少女、
いやXが、足を組んで座っているのが見えた。
紺色のスーツに着替えているが、
とても華奢に見える。

そのXは、まったくもって不機嫌そうで、扉そばに立っているチェイサーを、にらみつけた。

青い炎を宿したような、やや切れ長な瞳、
鋭い刀剣のように、触れれば切れるような、緊張感を漂わせている。

肌はきめ細かく、雪のように白い。
唇は、雪に落ちた深紅の薔薇の花びらのように見えた。
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