トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
リアランは、その青い瞳を丸くして、鷹の鋭いくちばしを見つめていた。

自分の護衛に、犬と鷹が加わるなんて、想定外だったのは確かだ。
その様子を察して、ブラントンは説明を始めた。

「チェイサーは異能の持ち主です。
犬と鷹に自分の意識を乗せて、
自由に行動させることができます」

チェイサーは同意するように、
軽く頭を下げた。

「狩人、チェイサーか・・・・」

リアランはまだ、親指の爪をかんだままだったが、何か思いついたように

「本当の名前を何という」

サファイアブルーの深い色合いの瞳は、まっすぐにチェイサーに向けられた。

「身元のはっきりしていない者は、ここで仕事はできない。
だろう、ブラントン?」

ブラントンは、その指摘にあわてて
「チェイサーは、この国の者ではありません。
が、仕事ができるのは、私が保障します」

それを無視するように、リアランは再度強く言った。

「名前を」

リアランの視線と、チェイサーの視線が交錯した。

「エルダール・バランドール」

リアランは、何回か口で転がすように、その名前を繰り返した。
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