トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
「ああ、美人の護衛は楽しい。
眼福だ。
熊みたいなオトコより、よっぽどいい」

チェイサーは立ち上がり、鷹を飛ばした。

鷹は空を一回旋回して、仕事は終わったとばかりに
森の方に飛んで行った。

「いや、まだXだからな。
18才になる3か月後には、
王位継承にむけて、オトコの属性になるはずだ。
王室典範では、王位継承は
オトコと定められている」

チェイサーは、首をかしげた。

「なぜ、オトコにこだわる?
別に女王が統治している国は、
たくさんあるだろうが」

ブラントンは、たばこに火をつけた。

「俺もこの国の出身者ではないから、よくわからない部分もあるのだが・・」
そう前置きをして

「この国は、血統を重んじるのだ。
血のつながりは、水よりも濃いというからな。

オトコにこだわる理由は、
たぶん継承者問題があるからだろう。
オンナは妊娠するが、それほど多くの子どもを、産むことはできない。
出産のリスクも大きい。

しかし、オトコは側室を持てば、
リスクはなく、同時に何人もの子どもを持てる」

「確かにそうだが・・」

チェイサーは、頬に手を当てて考え込み、
ブラントンは、2本目のたばこを口にくわえた。
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