トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
「継承者同士、競わせて、
そのなかでも優秀な人材を登用させる。

一番優秀なのを王位につける。
もちろん、異母兄弟同士の確執もあるだろうがね」

そう言って、
ブラントンは鼻の下を指でかいた。

「リアラン様ならオトコでも、
美しいだろうな。
それはそれで、危険だが」

チェイサーは、複雑な顔をした。

「リアラン様は、今、17才か。
俺の半分の年だからなぁ」

チェイサーのしみじみした言葉に、
ブラントンは、灰皿にたばこをねじるように押し当て、立ち上がった。

「それまでに何かあったら、困るんだ」

「とすると、24時間警護か」

ブラントンはうなずき、チェイサーはため息をついた。
「おっさんを、こきつかうなよ」

クーーーン

チェイサーは、
<待ちくたびれた、腹が減っている>
と言いたげな、顔のダリルの頭をなでた。

「先ほどは、嫌な事を思い出させて悪かったな」

「いや、すでに滅びた国や名前なんて、どうでもいいことだ。
それにもう、昔のことだ」

チェイサーは、独り言のように、
しかし、自分を納得させるように言った。

「まず、この離宮の配置図が欲しい。
それから、ダリルに飯を食わせたいのだが」
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