トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
「わかった。厨房に案内しよう。
打ち合わせも、そこでできる」

ブラントンも立ち上がり、
犬の頭を軽くなでた。

「ところでチェイサー、お前さんの恰好だが・・・・」

ブラントンはあごに手をやり、
チェイサーの来ている服に視線をやった。

「何かまずいか?犬臭いか?」

チェイサーは、肩とひじ部分に革のあてた焦げ茶のジャケットと、よれよれのジーンズ姿だ。

「犬と鳥を扱うからな。
警護の制服を着ろと言われても、困る。
できるだけ目立たないようにしたいし」

面倒くさいことは避けたいという、チェイサーの本音を察して、
ブラントンも笑みを浮かべた。

「そのほうが有難い。
何かあった時、俺と陽動作戦が取れるしな」

チェイサーが、ジャケットの裏をチラリと見せて、
ダガーナイフの存在をアピールしたので、ブラントンもOKサインを指でつくった。
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