トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
チェイサーは
<また、嫁さん関係で有事が起きたな>と身構えた。

ブラントンは、両手を顔の前でこすり合わせて、拝むように

「チェイサー、頼む!!
子どもが、俺の子どもが・・
3番目が生まれそうなんだ。
陣痛が起きたようで、さっき連絡が来たのだ」

なるほど、これは、有事に違いない。

「ああ、でも、俺には騎士団長の代わりは務まりませんよ。
礼服もないし」

「だから、ここで今、騎士団長代理を任命する。
式服は略礼服でいいだろう。
俺のを貸すから」

ブラントンは、気が急いているのか早口で言った。

「30分後に出発だ。
今回は、特別手当を出すぞ。
なにしろ俺の代理だからな」

ブラントンは、部屋から出ようとドアを開けた。
が、一瞬立ち止まって、チェイサーに向けて親指を立てた。

「この国で一番の美人は、うちの嫁さんと子ども、あとリアラン様だ。
今度生まれる子供も、絶対に美人だ。」

「奥様によろしく、先におめでとうを言っておくぞ」

苦笑いをして、チェイサーは葉巻に火をつけた。
ブラントンの三番目の子どもも、
Xとして生まれるのだろうか?
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