トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
くるりと身をひねらすと、
チェイサーの体から抜け出た。

半身を起こすと、
両手で上着の打ち合わせを、深く握りしめた。
青の瞳が、大きく見開かれている。

「だめ・・だ」
チェイサーは、自分を恐れている視線を感じた。

「リアラン様・・・?」

その声で、リアランは何かを思いついたように、素早くそばにあった袋から、
酒の瓶を取り出した。

「ああ・・これは、事故だ・・・・
私が酒に酔って、ぶつかっただけだ」

自分に言い聞かせるように、
瓶のふたを開けると、そのままググッと口のみをした。
大きく息をつくと、もう一本の小瓶をチェイサーの方に転がした。

「チェイサー、飲むのだ。
これは命令だっ!!」

チェイサーは少し戸惑ったが、
同じように一気のみをした。

ちょっとした、からかいのつもりだったが、
いや、本心を隠せなかった自分に、後ろめたさを感じたからだ。

チェイサーが飲むのを確認してから、リアランも飲み続けたが、
アルコール度数の強さにむせこんで、ゲホゲホとせき込んだ。

「リアラン様、無理しないでください!!」

「そばに寄るなっ!!」
リアランの鋭い声が響いた。
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