トランス・ブルー・ラブ リアランとチェイサー
裏の通りは、人通りが少ない。
が、大きな井戸と水飲み場があるので、流しの辻馬車の、待機場所になっている。
離宮の木が、大きく張り出して、
日陰をつくり、何頭かの馬が、
壁の鉄柵につながれていた。
チェイサーは、オロオロしている老執事に、すぐに指示を出した。
「ブラントン騎士団長に、連絡をしてください。
私はリアラン様の足取りを、探します」
「はい、わかりました」
老執事は、すぐに離宮に戻った。
ダリルは尻尾を振って、
チェイサーの顔を見上げた。
「まずは聞き込みか」
離宮のレンガ塀に持たれて座っている、高齢の御者らしき男に声をかけた。
「今日、朝早く、ここから馬車か馬を頼んだ人は、いないかな?」
その男は、黄ばんだ歯を見せて
ニィッと笑って、片手を出した。
チェイサーは小銭を数枚、男の手に握らせた。
「これで、酒は飲めるだろう?」
「へへっ、旦那、おありがとうございます。
お尋ねの方は、お若い修道女ですね。
離宮の早朝ミサに、出られたから、
お戻りになると言っていましたぜ」
修道女か・・
「どこに?戻るとは?」
「山ひとつ超えた、グレンファーストでさぁ」
グレンファースト・・
リアランの母君が、療養生活をしていたという修道院。
「早い馬を借りたい、
割り増し料金ははずむぞ」
「おう、そうこなくちゃ、旦那。
いい奴がいますぜ」
男は、黒光りのする毛並みの大きな馬を指さした。
が、大きな井戸と水飲み場があるので、流しの辻馬車の、待機場所になっている。
離宮の木が、大きく張り出して、
日陰をつくり、何頭かの馬が、
壁の鉄柵につながれていた。
チェイサーは、オロオロしている老執事に、すぐに指示を出した。
「ブラントン騎士団長に、連絡をしてください。
私はリアラン様の足取りを、探します」
「はい、わかりました」
老執事は、すぐに離宮に戻った。
ダリルは尻尾を振って、
チェイサーの顔を見上げた。
「まずは聞き込みか」
離宮のレンガ塀に持たれて座っている、高齢の御者らしき男に声をかけた。
「今日、朝早く、ここから馬車か馬を頼んだ人は、いないかな?」
その男は、黄ばんだ歯を見せて
ニィッと笑って、片手を出した。
チェイサーは小銭を数枚、男の手に握らせた。
「これで、酒は飲めるだろう?」
「へへっ、旦那、おありがとうございます。
お尋ねの方は、お若い修道女ですね。
離宮の早朝ミサに、出られたから、
お戻りになると言っていましたぜ」
修道女か・・
「どこに?戻るとは?」
「山ひとつ超えた、グレンファーストでさぁ」
グレンファースト・・
リアランの母君が、療養生活をしていたという修道院。
「早い馬を借りたい、
割り増し料金ははずむぞ」
「おう、そうこなくちゃ、旦那。
いい奴がいますぜ」
男は、黒光りのする毛並みの大きな馬を指さした。