トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
胸に、大きな白い布で包まれたものを抱きしめている。

ワン、ワン、ワン
ダリルが、リアランの前をさえぎるように止めた。

「チェイサー!!ホークアイが・・死んでしまった・・」

リアランが泣きながら、叫んだ。

「窓を開けたら、いきなり部屋に飛び込んできて、暴れて壁に激突したんだ」

「ホークアイがっ!?」

チェイサーが白い布に包まれた鷹を、すぐに受け取った。
鷹は、布のなかで動かない。

リアランはへたり込んで、泣いている。

「ああ、これは・・・・死んでいないです」

チェイサーは、布にくるまれた鷹をそっと床に置いた。

鷹は布の中で、もそもそ動き、
それから周囲を見回してから、
羽ばたいて、中庭の木の枝に止まった。

「ぶつかった衝撃で、気を失ったのでしょう」

「え・・よかった・・」

リアランは放心したように、チェイサーを見た。

「リアラン様・・」
その声で、
リアランは、チェイサーの上着の襟を両手でつかんだ。
あふれでてくる思いを、止めることができなかった。

「私は・・新しい生き方をしたい・・幸せになりたい」

リアランは、震える声でしがみついた。

「あなたのパンケーキが、また食べたい・・そう思った」
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