トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
マダム・ルルは大げさな身振りで、手を胸の前で組んだ。

「まぁ、うれしい!
それでは、ここにも来てくださるわね。チェイサー様」

「マダム・ルル、なんとお美しい方だ。あなたに乾杯と賛辞を」

チェイサーはそう言って、グラスを軽く上げた。

「まぁ、お口が、お上手だこと。
私も、男前のお客様が来ていただけるなんて、
とってもうれしいわ」

マダム・ルルは商売上手らしく、
すぐに空になりかけたグラスに酒を注ぎ、
チェイサーにむかって、妖艶に微笑んだ。

「ブラントン様には、
騎士団のお客様をたくさん紹介していただいて、感謝しておりますの」

マダム・ルルは、紅の唇に人差し指を当てて

「チェイサー様?
今日はお遊びになるかしら?
もし、よろしければ、2階までいらしてね」

マダム・ルルは立ち上がると、
片目をつぶって、ブラントンに意味深の合図をした。
それから、小さく手を振り、衝立から出て行った。

「あの、女は?
騎士団って、なんのことだ?」

チェイサーは、だいぶ酒が回っている、ブラントンに質問した。

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