トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
ブラントンは少し考えていたが、すぐに降参とばかりに、
剣を投げ捨て、両手を上げた。

「これは、まぁ、大人の事情で、それもそうだが・・ダリルを止めてくれ」

チェイサーの唇が微かに動き、
ダリルは横についた。
それを確認して、ブラントンは大声で言った。

「わかった、もう一度確認させてくれ。
リアラン様、王位継承を辞退する・・そのおつもりですね」

リアランはうなずいた。

「チェイサーとともに、この国を出る・・それでいいですか?」

リアランは再度、うなずき、チェイサーは強く抱きしめた。

「それでは、当座の資金だ。
チェイサー、これを受け取れ」

ニヤリと目じりを下げて、
ブラントンは重みのある革袋を差し出した。

「リアラン様、お幸せに。
この後は、ブラントンにお任せください。
うまくやりますから」

リアランは、少しほっとしたようにうなずき、
その足元で、ダリルが尻尾をブンブン振った。

「リアラン様、そのお姿では支障もありましょう。これをお使いください」

ブラントンは、休憩室にあった
黒いマントも一緒に手渡した

「何か必要な物があれば、いつでも連絡してくれ」

「ありがとう、世話になった」
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