トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
チェイサーは、リアランの肩を軽く抱きしめ、言った。

「そう言えば、ブラントンは大臣になったらしい。
王位継承者の補佐にあたると、言っていた。
ブラントンは悪役にも、正義の味方にもなれる器用な奴だが、
たいしたものだ」

リアランはチェイサーの髪に
からんだ葉をつまみ、ふっと口で吹いて飛ばした。

「この間、4番目が産まれたって聞いたけど。
メリーアンに子どもの事、いろいろ教えてもらいたいけど、大丈夫かな?」

リアランは、自分の大きなお腹に手をあて、
チェイサーは、その手に、自分の手を当て言った。

「そうだね。今度、ブラントンに聞いてみよう。
それより、風が冷たいから、
早く帰って、熱いお茶を入れよう」

「パンケーキが食べたい!」
リアランが、はしゃいだように
声をあげた。

「メープルシロップ、いっぱいだろう。こどもの分も焼くよ」

チェイサーが、リアランの頬にキスして、答えた。

リアランは、真っ青な空を見上げた。
大きな鳥が、空を横切るように飛んで行く。

ホークアイは、あれから姿を見せない。

どこかの森で巣をつくって、
こどもを育てているといいな。
私たちのように、自由に・・
幸福であって欲しいと思った。

おわり
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