君の全部になりたい【完】

「美桜様お迎えに参りました。」


放課後、いつものように爽が迎えに来てくれる。




「うん、ちょっと待ってね。」


今日くるの早かったなぁ。まだ準備できてないや。


急いでカバンに荷物を詰めていると、教室へ入ってきた爽が、足を見て、私のあざに驚いた顔をする。



「これ、如何なさったんですか。」




「あ、ダンスパーティの練習してたらぶつけちゃって。」



ちょっと練習しただけで膝に怪我なんて、ダサいよね。



「大丈夫でしたか?」




「うん。新堂くんがすぐ保健室連れていってくれたから。」



その言葉に、爽の表情が変わる。



…そうだ、この間から新堂くんと爽には何やから私にはわからない亀裂が入ってるんだった。



「……新堂様と、ペアになったんですか?」


不機嫌な目が向けられる。



「…そうだよ。クジで決まったの。」



クジを強調してお互い望んでペアになったんじゃないからね、ってアピール。



「…そうですか。」

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