君の全部になりたい【完】
2.素直で可愛い、嘘に決まってるのに
雲ひとつない青空。
うん、入学式日和だね。
全身鏡の前に立って、新しい制服を身にまとい
、身なりを整える。
やっぱり高等部の制服は可愛いなぁ。
白いブレザーに、薄いピンクのタータンチェック柄のスカート。
「美桜様、まさかその格好で登校されるおつもりですか?」
軽くノックを三回して入ってきた爽がそういう。
昨日の今日だし爽の燕尾服を姿はやっぱり見慣れない。
「うん。…おかしいかな?」
胸の辺りまである色素の薄い髪を結ばずに下ろした状態にして、制服のスカートを少し短くしてみた。
あとは唇に薄いピンク色のリップを塗った。
不安になって爽を見つめると、
「っ、…やばすぎんだろ。」
なんか変な様子でぶつぶつ言っている。
扉から少し距離があるからよく聞こえなかった。