君の全部になりたい【完】
13.君の全部になりたい
日曜日、少し遅めに起床して、部屋を出ると、
「おはようございます。」
「真由美さん、おはよう。」
真由美さんが、部屋の前にいた。
爽のお母さんなだけあって、すっごく美人。美魔女ってやつだと思う。
「本日は爽が学会で外出しておりますので、私が代わって仕えさせて頂きます。」
爽は今日、日本使用人協会の集まりに参加している。
なんでも25歳以下が集められて、研修をするんだってさ。
そっか、爽今日はいないんだ。
なんか寂しいな、って無意識に思っている私。
私の部屋の大きな窓から見える、大好きな庭の景色。
庭師な人が季節ごとに色んな花を植え替えてくれるの。
「昔はよくここで爽と遊んでらっしゃいましたね。」
真由美さんが、懐かしそうにそう呟く。
「そうだね。」
この庭にはたくさんの思い出があるね。
「ふふっ、」
「どうしたの?」
突然何かを思い出したように、笑う真由美さん。