君の全部になりたい【完】
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ベットで読書をしているとコンコンコンと、いつもと同じリズムのノックがした。
「お待たせ致しました。」
現れたのはもちろん爽。
一度家に帰り、急いでお風呂と、身支度を済ませて、また戻ってきてくれた。
また燕尾服を着てこようとしていたから、さすがにそんな姿では寝れないよ、って私が寝ている時の格好で来るように指示した。
久しぶりに見るノーセットの無防備な爽の姿に胸がなる。
時刻はすでに23時半。
明日も学校だし、そろそろ寝ないとね。
だだっ広い私の部屋に、私と爽、2人きり。
いつもそうなんだけど、なんだか意識し出すと緊張してしまう。
「私はここで寝ますね。何かあればお声掛けください。」
そういって、ベットの隣にあるソファに腰掛ける爽。