君の全部になりたい【完】


両家ともに路頭に迷わせてしまう。


深山家が寺門家から一斉にいなくなったら、きっと寺門グループは今まで通り稼働することはできないし、



パパの秘書や、執事だって、みんな深山家の人間なんだもん。



私と爽の問題だけで、今まで培ってきた関係を壊すわけにはいかないよ。



「美桜……、美桜の決めたことなら応援するよ。」



恵は私以上に辛そうな顔をしてくれるんだね。



優しいな。




「うん、ありがとう。」



爽が、深山家の人間じゃなければよかったのにな。



そうすれば、告白でもなんでもして恋人になれる可能性だってあったかもしれない。



「私は、爽さんも美桜のこと好きなんだと思うけどね…」

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