君の全部になりたい【完】
9.制御不能なんて、執事失格だな
朝、学校について送迎の車を降りて、爽と2人で廊下を歩いている時ふと思い出して、爽を見上げる。
「今日ね、家庭科でコースター作るから爽にあげるね!」
上手くできるかわからないけど。
「ありがとうございます。楽しみにしてますね。」
外から入る朝日に包まれた爽が、微笑む。
…かっこいい、と素直に胸が高鳴ってしまう。
「爽、コーヒーよく飲むもんね!」
「はい。毎日使わせて頂きますね。」
昔からコーヒーが大好きな爽。
中学生の時には自分で豆を挽いて飲んでたもんね。
よし、毎日使うって言ってくれたし、張り切って作るぞ!