今はまだ、折れた翼でも
ざわざわとすぐに騒がしくなる。私は望くんの身体から離れた。

救急車から人が降りて、こっちに向かってくるのが分かる。

そしてあっという間に救急隊員によってストレッチャーに乗せられて、運ばれていった。

私はそのあとを邪魔にならないように追いかける。


足を止めた先は、救急車の目の前。



「知り合いですか。可能であれば同乗願います」



救急隊員の人が私のほうを見て尋ねる。

私は、望くんの家族でもなければ、友人かどうかも怪しい。

……だけど、大切だってことは嘘じゃないから。



「……はい、分かりました」



私は返事をして、救急車に乗り込む。

そのあと、バタンとバックドアが閉められた。




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