今はまだ、折れた翼でも
14 いない存在 side望
あの日は、映茉の家で過ごす最後の日だと思っていた。
ここに来てから約束の三週間を過ぎていたから。そして、明日から月曜日。平日が始まる。
だが映茉は忘れているのか気が付いていないのか、居候期間についてはなにも言わなかった。
そして、その日の夜。
本当に、ただコンビニに行ってくるだけだった。
なのに運悪くあいつらに見つかった。
ちょうど三週間前に会ってやられたっきり。
だけど俺はもう、喧嘩するつもりなんてなかった。
こんな俺のことを怖がらずに一人の人間として優しく接してくれた、映茉の存在があるから。
しかし、たまたまリーダー……石井の機嫌が悪かったらしく、俺はあの日と同じ細い路地裏に連れ込まれた。
そこからのことは、よく覚えていない。
暴言を吐かれたくらいじゃどうってことないが、身体的に攻撃され続けるのはさすがにキツい。
でも俺は、どんなにやられても、壊れても絶対手は出さないと決めた。
一発でも殴れば、映茉が怖がる。悲しむ。……これから俺が映茉にしてやりたいたくさんのことが、出来なくなる。
頭がおかしくなりそうだった。コンクリートに、身体が打ち付けられる。
ここに来てから約束の三週間を過ぎていたから。そして、明日から月曜日。平日が始まる。
だが映茉は忘れているのか気が付いていないのか、居候期間についてはなにも言わなかった。
そして、その日の夜。
本当に、ただコンビニに行ってくるだけだった。
なのに運悪くあいつらに見つかった。
ちょうど三週間前に会ってやられたっきり。
だけど俺はもう、喧嘩するつもりなんてなかった。
こんな俺のことを怖がらずに一人の人間として優しく接してくれた、映茉の存在があるから。
しかし、たまたまリーダー……石井の機嫌が悪かったらしく、俺はあの日と同じ細い路地裏に連れ込まれた。
そこからのことは、よく覚えていない。
暴言を吐かれたくらいじゃどうってことないが、身体的に攻撃され続けるのはさすがにキツい。
でも俺は、どんなにやられても、壊れても絶対手は出さないと決めた。
一発でも殴れば、映茉が怖がる。悲しむ。……これから俺が映茉にしてやりたいたくさんのことが、出来なくなる。
頭がおかしくなりそうだった。コンクリートに、身体が打ち付けられる。