今はまだ、折れた翼でも
————自分に。


俺は、映茉にとって悪影響にしかならない存在。

分かりきっていた。痛いほど、知っていたはずなのに。


映茉から優しさを貰うたび、自分の本当の姿が見えなくなっていた。

自分の過去すら、忘れていた。


だけど、見えなくても忘れていても。“ある”という事実は拭えない。

出会った時点で、ちゃんと冷静になって考えればよかった。


昨日だって、映茉は、向けられる視線が辛かったと思う。

今だって、俺のせいで悪く言われている。



……俺の、せいで。




夢はここまでだ。

そろそろ覚めなければならない。

この一か月で見た宝石みたいにきらきら輝いていた暖かな景色は、最後に神様がくれた、奇跡だったのかもしれない。




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