今はまだ、折れた翼でも
3 一緒に暮らしましょう
一階に降りると、お母さんは夕飯の準備をしているところだった。

おじいちゃんとおばあちゃんはソファに座って仲良くテレビを見ている。



「お母さん、手伝うよ」



階段の近くからキッチンの方へ声をかけると、お母さんがひょこっと顔を出してきた。

私の家は階段を降りるとリビングにつながっている。すぐ近くには、カウンターキッチンがあるのだ。

リビングには、美味しそうな香りが漂っている。



「今日くらいは大丈夫だよ。それより、こんばんは」

「こんばんは。……すみません、お邪魔して」



その言葉に、お母さんはにっこりと笑った。



「いいのよ。でも、大丈夫そうでよかっ……」


「映茉ーっ!その男は誰!?」

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