今はまだ、折れた翼でも
私は会えたうれしさと申し訳なさでごちゃごちゃになりそうな頭を必死に整理しながら、謝ろうと口を開いたとき。
「ごめん、映茉」
望くんが、私より先にそう言ってしまった。
……謝るのは私のはずなのに。望くんは謝る必要なんてないのに。
そう伝えると、望くんは首を振った。
「……映茉に、なにも伝えずに勝手に出て行ったのは、俺のほうだから。だから、ごめん」
「そ、そんな。私、望くんがいないくて寂しくて……あっ」
こんなこと言ったらだめだ。追い打ちをかけるようなこと。
それに、望くんとはこれで本当にお別れなのに。
少し俯くと、長袖のカーディガンが目に入った。そういえば、ちょっと暑いかも。
風邪を引いているとはいえ、今は夏なわけだし。
心の沈む感覚を覚えながら、袖に手をかけてそのままひっぱる。
「ごめん、映茉」
望くんが、私より先にそう言ってしまった。
……謝るのは私のはずなのに。望くんは謝る必要なんてないのに。
そう伝えると、望くんは首を振った。
「……映茉に、なにも伝えずに勝手に出て行ったのは、俺のほうだから。だから、ごめん」
「そ、そんな。私、望くんがいないくて寂しくて……あっ」
こんなこと言ったらだめだ。追い打ちをかけるようなこと。
それに、望くんとはこれで本当にお別れなのに。
少し俯くと、長袖のカーディガンが目に入った。そういえば、ちょっと暑いかも。
風邪を引いているとはいえ、今は夏なわけだし。
心の沈む感覚を覚えながら、袖に手をかけてそのままひっぱる。