今はまだ、折れた翼でも

「私から見て左側から私の父、母、夫、夫の弟、そして娘の映茉です」


「……白岩望、です」



時刻は7時10分。

リビングの大きなちゃぶ台には夕飯のハンバーグと白ご飯、お漬物が人数分置いてある。

私から見て右から晃成くん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、お母さん、そして白岩くんの順番で座ってテーブルを囲んでいた。



「あのね、今日の下校中に倒れているのを見つけたの。雨もひどかったから、とりあえず家に連れて帰ってきたの」



一連の流れを簡単に説明すると、おじいちゃんとおばあちゃんは納得したようにうなずいてくれる。



「はあ?なんだそれっ……うぐっ」



開かれた晃成くんの口を手で押さえながら、お父さんが言った。



「あの雨の中をか?大変だったな」

「そうなのよ。映茉ちゃんも彼も、びしょ濡れだったんだから」



お母さんがそう言ってうんうんと相槌を打つ。とりあえず、説明できてよかった。

ほっと安堵のため息をつく。
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