今はまだ、折れた翼でも
4 責任の夜
夕飯を食べ終わって、私は白岩くんに家を案内することにした。
白岩くんは一人で暮らしているみたいで、それならなおさら心配ということになり、とりあえず三週間はうちで暮らすことになった。
気持ちよく生活してもらうために私もできることはやりたい。
といっても、これくらいしかできることなんてないけど。
まずは一階のリビングとダイニング、キッチン、和室と客間、お手洗いを簡単に紹介してみる。
うちはリビングとダイニングとキッチンが同じ部屋にある1LDKで、一通り見渡せば大体は配置がわかる。
玄関から廊下が伸びていて、その途中に和室と客間、お風呂とお手洗いがある。そしてその突き当たりにあるのが1LDKのお部屋。
その部屋のドアの前に二階にあがる階段があるのだ。
私たちはその階段をのぼって、白岩くんの泊まるお部屋まで案内する。右側、階段手前から三つ目。
「ここです。あの、入ってみましょう」
ドアには、『ゆうたろーのへや』と書かれたプレートがかかっている。
ほんとうにそのままなんだな、と思いながら私はドアノブに手をかけた。