今はまだ、折れた翼でも




お母さんの言っていた通り、白岩くんは掃除が終わるまで私の部屋に泊まることとなった。

お父さんにも事情を説明すると、怒った様子でその場で光さんに電話をかける。

それでなんと、優太郎くんのお部屋にある光さんのものは全て処分が決定してしまった。


なんだか申し訳ない気持ちがわいてくる。だって、もともと秘密だって晃成くんに言っていたわけだし、だましていたような気持ちになるのだ。

会ったときにちゃんと謝ろう。電話じゃなくて、直接。



とりあえず泊まるのは私の部屋ってことになったけど、掃除はなるべく早く終わらせておきたい。

だって、白岩くんに申し訳ない。私と一緒なんて。



「まだ、こんな時間……」



部屋の時計を見上げると、針は9時10分を指していた。

今日は先にお風呂に入ってしまったし、特にやることも思いつかない。

ちなみに今白岩くんはお手洗いに行っていて、ついでに歯磨きもしてくると言ってからまだ戻ってきていない。
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