今はまだ、折れた翼でも
朝。早く目が覚めた俺は、ベッドの上で気持ちよさそうに寝ている映茉を起こさないように布団を畳む。
ふと壁の方を見上げたとき、壁にかかった制服が目に入った。映茉の通っている高校の制服だと思う。今、初めて見た。
……北田高校に、通っているのか。
映茉の部屋を出て、身支度を整えてから階段を降りる。
一階の部屋は薄暗かったが、映茉の母親はもう起きていてキッチンに立っていた。
俺に気づいたのか、「ちょっと待ってて」と言われ足を止めると、生地の厚い上着とおにぎりを二つ手に握らせてくれる。
「どこに行くかはわからないけど。でもきっと、そこに行くのは白岩くんにとって大切なことのような気がするから」
私からも応援させてね。これは、その気持ちだから。と言ってウインクをした。
俺はお礼を言って、今度こそ家を出た。
ズボンのポケットに貰ったおにぎりを入れて、歩き出す。
下はそのままだから短パンだが、初夏だし少し冷えるくらいで寒くはなかった。
ふと壁の方を見上げたとき、壁にかかった制服が目に入った。映茉の通っている高校の制服だと思う。今、初めて見た。
……北田高校に、通っているのか。
映茉の部屋を出て、身支度を整えてから階段を降りる。
一階の部屋は薄暗かったが、映茉の母親はもう起きていてキッチンに立っていた。
俺に気づいたのか、「ちょっと待ってて」と言われ足を止めると、生地の厚い上着とおにぎりを二つ手に握らせてくれる。
「どこに行くかはわからないけど。でもきっと、そこに行くのは白岩くんにとって大切なことのような気がするから」
私からも応援させてね。これは、その気持ちだから。と言ってウインクをした。
俺はお礼を言って、今度こそ家を出た。
ズボンのポケットに貰ったおにぎりを入れて、歩き出す。
下はそのままだから短パンだが、初夏だし少し冷えるくらいで寒くはなかった。