今はまだ、折れた翼でも
7 白岩くんの大切な人
土曜日の夕方4時あたり、私は白岩くんと例の部屋の掃除をやっと終えたところだった。

廊下には大量のゴミ袋とタンスやゴルフクラブがあるが、なんとか部屋としては使えそうでよかった。

結局片付けには一週間ほどかかってしまって、それまで白岩くんは私の部屋で寝ていたのでそこは本当に申し訳ない。

でも、その間に白岩くんの身体の傷はどんどん良くなっていった。もちろん足や腕しか見てないし、まだ治りかけではあるみたいだけど。



「ふう、これでもう大丈夫だね」

「……ごめん、ありがとう」

「ううん。私がしたことだから、気にしないで」



白岩くんは小さくコクリと頷く。

金髪にピアス。そんな彼の容姿に初めは心のどこかで恐怖を抱いていたのかもしれない。

けれど少しの間一緒にいただけなのに、そんな気持ちはどこかに消えて、いつのまにか敬語も抜けていた。
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