今はまだ、折れた翼でも
もし、白岩くんに彼女っていうか、恋人とか、そういう大切な人がいたりしたら。

私、その人にとって邪魔な存在なのでは……?



「映茉、いくぞ」



白岩くんが私を呼ぶ声が聞こえた気がしたけど、頭に入ってこない。


私は白岩くんとそういう関係になりたいわけじゃない。ただ、同じ屋根の下一緒に住んでるわけだから、仲良くなりたいって思うだけ。

だけど、それってもしかしたら白岩くんの大切な人にとっては邪魔なだけだし、もしかしたら白岩くんもそう思ってたりするのかな……。


迷惑、だって。



「映茉。おい」


「えっ?」



左手首に違和感を感じた衝撃で、ふと我に返る。
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