今はまだ、折れた翼でも
店員さんが両手に一つずつ持ったいるかを合わせると、かちゃりと磁石のくっつく音がした。
青のいるかは逆さまでオレンジのいるかは上を向いていて、ちょうど相手にぴったり収まる仕組みになっているみたい。
「ええっ、すごーい!」
彼女さんが感嘆の声をあげる。横で見ていた私も心の中でおーっとなる。
「これ、お客様のような素敵な二人に持っていただきたいと思いまして。青は、海。オレンジは、太陽。たとえ一時は離れてしまっていても、日が海に沈むみたいにずっと二人の想いが交差するようにと思って作成したものなんです」
店員さんはかごにそっといるかを戻しながら、やさしく笑った。
海と、太陽。日中は、離れ離れの二人。だけど、夜になればまた会うことができる。
実際そんなロマンチックなことは起こらないのだけれど、今もどこかで海と太陽のように楽しく夜を共に過ごす人たちがいるのだろう。
「ええーっ、あたし、こういうの好き!あたし、このいるかさんみたいにたっくんとずっと一緒にいたいもん!」
「うおっ、いきなり抱きつくなよ」
ぎゅっと彼氏さんの腕に抱きつく彼女さん。
彼氏さんはびっくりしていたけど、うれしそうな雰囲気。
青のいるかは逆さまでオレンジのいるかは上を向いていて、ちょうど相手にぴったり収まる仕組みになっているみたい。
「ええっ、すごーい!」
彼女さんが感嘆の声をあげる。横で見ていた私も心の中でおーっとなる。
「これ、お客様のような素敵な二人に持っていただきたいと思いまして。青は、海。オレンジは、太陽。たとえ一時は離れてしまっていても、日が海に沈むみたいにずっと二人の想いが交差するようにと思って作成したものなんです」
店員さんはかごにそっといるかを戻しながら、やさしく笑った。
海と、太陽。日中は、離れ離れの二人。だけど、夜になればまた会うことができる。
実際そんなロマンチックなことは起こらないのだけれど、今もどこかで海と太陽のように楽しく夜を共に過ごす人たちがいるのだろう。
「ええーっ、あたし、こういうの好き!あたし、このいるかさんみたいにたっくんとずっと一緒にいたいもん!」
「うおっ、いきなり抱きつくなよ」
ぎゅっと彼氏さんの腕に抱きつく彼女さん。
彼氏さんはびっくりしていたけど、うれしそうな雰囲気。