今はまだ、折れた翼でも
ど、どうしよう。ほんとのことを言えばいいんだろうけど……。



「えーなになに、今のイケメン、鳥越さんの彼氏なの?」

「まじで!?」



どうやら花田さん以外にもクラスメイトの女の子がいたらしく、質問攻めにされる。

果たして、晃成くんのことを実の叔父だといって信じてくれるのかな……。

だって、叔父にしては若すぎるから……。


うそをつくのもなんだか心苦しくて答えられないでいると、さっき叫んだと思われる教師がやってきた。



「こんなところに集ってどうしたの。もうすぐ始業時間ですよ」

「集るって、虫みたいに言わないでくださいー」

「ほんとですよー」



先生の登場で自然にバラバラになり、生徒たちがわらわらと校舎に戻って行く。

花田さんたちクラスメイトも興味を失ったのかあっさりとその場を離れていった。

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