今はまだ、折れた翼でも
すると、手にしていたメモが一瞬で消えてしまう。



「わ、わあっ」



あわてて後ろへ振り返ると、そこにはメモを手にした望くんの姿があった。


ち、近いよ……っ!

私はなぜか頬が熱くなって、戸惑う。



「俺も、行ってきていいですか」

「え、いいの?ごめんね、白岩くん」

「全然、これくらい。大丈夫です」



そんな私の様子を気にすることもなく、会話をする望くんとお母さん。

でも、まあ、私今顔が赤いような気がするし、ちょうどいいかも……。あはは。



「じゃあ映茉。行くか」

「あ、はは、はい……」



望くんの言葉に返事をしながら、二人で玄関に向かう。


うう、最近、なんだかおかしいよ。

ほんとに大丈夫かなあ、私。


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