今はまだ、折れた翼でも
13 私の想い
「え、す、すごいっ!」



その日の夜。望くんはさっそく試験対策のための勉強をしていた。

今度は私が!と思い、冷たいお茶を持って元優太郎くんで現望くんのになっている部屋に入った。

なんとなく目に入った問題を解いたであろうノートは、丸ばかり。



「教科書と問題集、ありがとう。あとお茶も」

「ううん、それは全然いいんだけど……。もしかして望くん、中学のころ成績良かったの?」



じゃなきゃ、やってないはずの高校の範囲をこんなに簡単に理解するなんてできないと思う。

というか、授業を受けているはずの私とは比べ物にならないくらい出来てる……。



「……それは、まあまあっつうか。てかあんま、覚えてない」

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