浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
今がとても幸せで、今最愛の人との子どもを授かっているのだから、別にいいのだけれど。
でも、ずっと黙ったままだと、さすがに変かな?

そんなことをモヤモヤ考えていると、彼女が再び口を開いた。


「あら! その指輪って、Strawberry Tiaraのじゃないですか!?」

「えっ……あ、そうです。 主人が……選んでくれたので」

「いいなぁ……私も、早く素敵な人に出会いたい」

「えっ?」


思わず、聞き返してしまった。
今、彼女は間違いなく〝素敵な人に出会いたい〟と口にした。 子どもがいるのにその発言は、さすがに違和感がある。

もしかして、彼女は……。


「私、シングルマザーなんです。 未婚で、この子を出産して……」


予感は的中した。 淳史と結婚したのかと思っていたが、そうではなかったようだ。

病院の待合室だということも忘れてしまって、彼女の話に耳を傾ける。


「私、当時彼女持ちの彼と付き合っていて……その彼女から、彼を奪ってしまって。 しばらく彼と付き合っていてこの子を授かったんですけど、子どもができた瞬間『別れる』と言われてしまったんです」

「……そう、なんですね」

「バチが当たったんですよね、きっと。 人の彼氏を奪ってしまった罰なんです。 悪いことしたなって、反省してます」
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