浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
彼女は彼女なりに当時のことを反省しているようだったし、私にはその気持ちがわかっただけでもう充分。
今は望さんがいて、愛加がいて、とっても幸せだから。


「水姫は優しいんだな」

「いえ……そりゃ最初は嫌な気分になりましたよ? 私は覚えていて、向こうは覚えていないんですもん」


あたたかいコーヒーを飲みながら、素直に自分の気持ちを吐き出す。

望さんと一緒に遊んでいた愛加も「ママー、けーち(ケーキ)たべようね」と、足元に抱きついてきた。
愛加を抱きかかえて、ソファーに座らせる。


「でも……私と重なっている部分もあって。 『前の彼女には幸せになって欲しい』と言って反省していたので、もういいんです」


私には最愛の人がいて、家族があり、帰る場所もちゃんとある。 浮気相手であった彼女には、手に入れたくても出来なかったものばかりだ。

これ以上彼女のことを恨んでは、私にバチが当たる。


「そうだな。 水姫のことは、もう俺が幸せにしていくと決めたからな。 心配はいらない」

「もう、充分すぎるくらい、毎日が幸せです」

「この先も、ずっと幸せに決まっている」


そう言った私の肩を抱き寄せ、望さんはおでこにキスを落としてくれる。
そして、そっと耳打ちした。


「あのさ、愛加が眠ったら、ちょっと俺の相手してくれないか……」

「なっ……!? 望さん、スケベ……」


小声でそう言った私の身体も、少しだけ熱くなった。
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