浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

未来へ

「はい! 笑ってー!! はい、撮りますよー!!」


今にもその場から走り出してしまいそうな愛加をなんとか大人しくさせると、桜川病院のシンボルである桜の木の前に家族4人で並ぶ。

今日は2人目の100日記念で、家族でお宮参りの日だ。
もう4月も下旬だし、とっくに100日は過ぎているけれど。


雪がちらつく寒い1月の中旬。
私は、桜川家第2子となる元気な男の子を出産した。

予定よりも5日ほど早く産まれてきたけれど、3089gと愛加が産まれてきたときよりも大きい。
望さんにそっくりで産まれてきた子には、〝愛斗(まなと)〟と名付けた。

命名したのはもちろん望さん。 『たくさんの愛情を、周りにも分けて欲しい』という想いを込めて名付けたそう。

私が提案した〝愛渡〟は、画数が多いとかで却下され、麗華にも「それはセンスなさすぎよ」とダメ出しされた。

愛加も2歳になりますます目が離せないけれど、変わらず愛おしい。


「愛加、もう少し我慢ね」

「えー、あいか、ちがうところがいい!」

「待って、お写真撮るよ? 愛加、今日はお姫様みたいだから、お写真に残しておきたいでしょ?」

「うーん。 じゃあ、ちょっとだけよ?」


以前よりもよくしゃべるようになり、少し大人びた言葉も度々発するようになった。

きっと、4月の初旬から通い始めた幼稚園で、いろいろな言葉を覚えてきているのだろう。
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