浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
朝からあんなに騒いだのだもの……仕方がない。
ただ、桜川先生と淳史の会話は聞こえていなかったのか、深入りされることはなかった。

いや……もし聞こえていたとしても、私が桜川先生の彼女になるなんてことはありえないと思われているのかもしれない。

それはそれで悲しいような気もするけれど、あれやこれやと深入りされるよりはマシだ。
ナース問診かと思うくらいの尋問を終え秘書室に戻ると、ノートパソコンを開いた。


「さてと……」


お腹いっぱいになったところで、午後からは明日以降のスケジュール確認だ。

4月の終わり頃に他院との交流会が控えているらしく、会場を抑えるよう桜川先生から頼まれている。
予定日まであと1ヶ月程度だけれど、早めに抑えておく必要があるため、会場へは午後から電話しようと思っていた。

それが終わったら書類作成をして……あと、頼まれていた大牟田病院への返書を作成もしないといけない。

大牟田病院は以前私が勤めていた病院で、3年前に祖母が人工膝関節の手術を受けた病院でもある。
地域医療病院なだけあり病床数は桜川病院の3分の2程度だけれど、地域密着型で評判はいい。

桜川先生も大牟田病院によく紹介状を出したり、大牟田病院から桜川病院へ紹介されて来る患者様がいたりと、ずっと前から深い関わり合いがあるようだ。
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