浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
やっぱり帰ろう。 と、思ったとき、背後から望さんの声が聞こえた。
慌てて物陰に隠れると、身を潜める。 ダメだ……もう、後戻りはできない。
「はぁ……」と小さくため息を漏らすと、望さんが秘書室に入ったのを確認してから、もう一度そーっと中を覗き込んだ。
デスクの上に、長白衣のポケットの中にある貴重品を置いていく望さん。
長白衣を脱いでスクラブ姿になると、椅子に腰かけた。 表情には、オペ後の疲労感がわずかに窺える。
ここまで、特に怪しい気配はない。
やっぱり私の思い違いだった。 望さんが浮気なんてするはずないし、いつまでもこんなところにいても時間の無駄だ。
安心して、帰ろうとしたそのときだった。
「桜川先生、手術お疲れ様でしたぁ」
甲高い、女性の声。 別室に繋がっている扉から、秘書の水瀬さんが戻って来たようだ。
さっき私と話したときとは違うワントーン高い声で、望さんに話しかけている。
まさか……?
「お疲れ水瀬」
「先生? これ、今朝作って来たんです。 よかったらどうぞ」
そう言いながら、デスクに置いたのは手作りのサンドウィッチ。 おまけにカップのコーヒーまでしっかり準備してある。
慌てて物陰に隠れると、身を潜める。 ダメだ……もう、後戻りはできない。
「はぁ……」と小さくため息を漏らすと、望さんが秘書室に入ったのを確認してから、もう一度そーっと中を覗き込んだ。
デスクの上に、長白衣のポケットの中にある貴重品を置いていく望さん。
長白衣を脱いでスクラブ姿になると、椅子に腰かけた。 表情には、オペ後の疲労感がわずかに窺える。
ここまで、特に怪しい気配はない。
やっぱり私の思い違いだった。 望さんが浮気なんてするはずないし、いつまでもこんなところにいても時間の無駄だ。
安心して、帰ろうとしたそのときだった。
「桜川先生、手術お疲れ様でしたぁ」
甲高い、女性の声。 別室に繋がっている扉から、秘書の水瀬さんが戻って来たようだ。
さっき私と話したときとは違うワントーン高い声で、望さんに話しかけている。
まさか……?
「お疲れ水瀬」
「先生? これ、今朝作って来たんです。 よかったらどうぞ」
そう言いながら、デスクに置いたのは手作りのサンドウィッチ。 おまけにカップのコーヒーまでしっかり準備してある。