浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
しばらくすると陽里ちゃんがバスタオルを持って来てくれ、麗華に手渡してくれた。
麗華からバスタオルを受け取ると、軽く濡れた身体を拭いてリビングへとお邪魔する。


「みずきちゃん、どうしたのー？」

「大丈夫よ。　少し濡れちゃっただけみたい。　ひまちゃん、お部屋でおりこうさんで遊べる？」

「うん！　あそぶ！！」

「よしよし、いい子だね。　今日の夜ご飯は、ひまちゃんの好きなオムライスにしようね」


「やったー！！」と、飛び跳ねながら再び遊び始める陽里ちゃん。
陽里ちゃんが遊びだしたのを確認すると、麗華はキッチンでコーヒーを淹れてくれた。

ふわりとコーヒーのい香りが漂い始め、それがなぜか私の涙をそそる。


「水姫、なにがあったのか話せる？　ゆっくりでいいから」

「……うん」


テーブルにコーヒーカップを置いて、私の横に腰かけた麗華。

あの、淳史に浮気をされた翌日とまったく同じだ。　あのときも麗華がコーヒーを淹れてくれて、横に座って慰めてくれたっけ。
あの日とすべてが重なり合っていて、さっきから胸が痛い。


「泣いていいよ。　泣いてスッキリしたほうが楽になるから」

「うぅ……麗華ぁ……！」


子どもみたいに泣きじゃくる私を、「よしよし」と慰めてくれる麗華。

彼女の優しさはいつになっても変わらずで、安心してすべてを打ち明けられる。
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