浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
そう思っていたのに……。
桜川先生は、そうじゃなかったの?


「桜川先生……あ、あの…」

「とういうわけで、今日19時からの会食は水姫も同席で」

「はい!? 私が同席って……どうしてですか!?」

「話すことがあるからに決まっているだろう?」


「それじゃぁ、オペだし行くわ」と、何事もなかったかのように秘書室から去っていく桜川先生。


ちょっと、落ち着いて私。 どうやら、話を整理したほうがよさそう。


だけど朝から予想外のことが起きすぎていて、どこから整理したらいいのか、もうそれすらわからない。
ただ一つ正解があるとするならば、〝桜川先生が私を好き〟ということ。

それに……桜川先生は〝ずっと〟と言ってくれていた。
そんなに前から、私を想って……?

結局話しの結論が出でこないまま、私はパソコンに向かうしかなかった。
だけど、当然仕事に集中できるはずもない。

さっきの出来事を思い出しては、その度に顔が熱くなる。


「……あ、もしもし麗華? 今、ちょっといいかな?」


どうしようもなくなって、私は院内用スマホを通じて麗華に連絡をしていた。
だって、まさか麗華の言っていた「嘘じゃないかのもしれないよ」という言葉が現実化しているなんて信じられない。

とりあえず、麗華に話を聞いてもらおう。
今の私には、そうすることが限界だった……。
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